中伊豆ワイナリー シャトーT.S
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中伊豆ワイナリーシャトーT.Sのヴィニュロン=葡萄栽培・ワイン醸造責任者である 松本英也が、葡萄畑や醸造の現場をご案内します。
2007年5月号
栽培編 ぶどうの誘引作業で我思ふ・・・・
5月6日は立夏。暦の上ではいよいよ夏の始まりとなりました。中伊豆のぶどう畑では、ぶどうの芽が順調に生長し、新緑眩しい風景を見ることができるようになってきました。 4月中旬にぶどうの新芽から一枚幼葉がでてくると、そのあとはグングンと葉を出し、新梢が伸びてきます。5月15日には、もっとも新梢の伸長が早いヤマソービニオンが約45cmまで伸び、8枚の葉がでています。ついでに他の品種の新梢の長さと葉の数についてもお知らせいたしますと、メルロー(新梢長)30cm(葉数)9枚、信濃リースリング27cm・8枚 シャルドネ26cm・9枚 プティヴェルド25cm・8枚 もっとも生長が遅い品種がカベルネソービニオン10cm・5枚といった状況です。

そしてぶどうの新梢が伸長するこの時期に、ぶどう果実の赤ちゃんである果穂(かすい)が現れます。ぶどうの品種によって葉や果穂の形や色に特徴があり、毎朝、作業前にぶどう畑をひと回りすると、その表情の違いや変化を発見することができます。これはぶどう栽培に携わっている者の特権かなと少し嬉しくなるひと時です。しかし、毎日の栽培管理作業は、とても忙しくなってきました。新梢が伸び始めると、新梢を真っすぐに伸長させるように、針金にテープで止める作業が始まります。誘引(ゆういん)といいます。この誘引作業を新梢の伸長に合わせて小まめに行なわないと、勝手な方向に伸び、新梢と新梢が混み合い、絡み合いの状態になってしまいます。新梢の伸び始め(幼少期)に、人の手で正しい方向に枝を導いてあげるという誘引作業は、実は、親の子育てにも通じるところがあるかな・・・と誘引作業をしながら感じることもしばしば・・・。我が家の誘引作業は順調なのだろうか・・・。

ヤマソービニオン園(No.10園) 新梢の長さは約45cm 順調な生育です
信濃リースリング園(No.9 園) このアングルは結構お気に入りです。信濃リースリング園はこの後雨よけビニールを張るのでこの風景が見られるのは今だけ!
そしていよいよ5月の下旬から6月上旬にかけて、ぶどうが開花を迎えます。そしてぶどうが体調を崩す可能性がもっとも高い、梅雨の時期も迫って来ます。 今日も気を引き締めて、しっかりぶどうに向き合って、栽培管理を進めようと思います。 中伊豆の畑に、ぶどうの花を見に来てください。とても地味ですが健気に咲き、穏やかに花の香りが漂うブドウ畑は、きっと心が安らぐと思いますよ。

ぶどうの赤ちゃん(果穂)全員集合(2007年5月15日現在)
1 ヤマソービニオン 2 メルロー 3 信濃リースリング
4 シャルドネ 5 ブティヴェルド 6 カベルネソービニオン
醸造編 06ビンテージ 志太農場リースリングがついにリリース!!
昨年仕込んだ中伊豆産ぶどうは、今現在、樽やステンレスタンクやビンによって熟成を行なっています。ぶどう品種の特性や醸造方法、熟成方法によって、ワインを商品として出荷、販売するまでには、ある程度の時間が必要となります。たとえば、白品種で香りに個性があり、新鮮味やフルーティーな風味を特徴とするワインの場合は、熟成期間はあまり必要としませんが、赤品種で辛口、タンニンが豊富という特徴であれば、長期熟成が望ましい、といった具合に商品の特長によってリリースのタイミングを図るのも我々の仕事です。
そして、5月。昨年中伊豆志太農場で収穫し、仕込んだワインのファーストリリース商品が「志太農場リースリング2006」です。信濃リースリングは、シャルドネとリースリングの交配品種です。品種の特長は、なんといっても爽やかな香り。マスカットや柑橘系の甘酸っぱいフレッシュな香味がインパクト大です。このような品種は、ぶどう本来の風味を最大限に活かすように仕込みを行ないます。
まず一つ目のこだわりは、「ホールクラスター」。ホールバンチプレスとも言いますが、要は「房ごと搾り」です。一般的にぶどうを搾汁する前にはぶどうの房から果梗を取り除き、果粒だけにするという処理をしますが、今回の商品ではその作業をしていません。収穫した房をそのまま圧搾し、果汁をとりました。ホールクラスターの利点は、果汁を取るまでの工程がとても短時間であることから、果汁の酸化が少なく、新鮮で澱成分の少ない果汁が取れることです。この果汁を使って低温で発酵を行ないます。程よい甘味を残して、発酵を終了するためにろ過をします。
そして二つ目のこだわりが「即、瓶詰め」。発酵終了ろ過後、タンクで貯蔵・熟成させるのではなく、直ちに瓶詰めを行ないました。これにより極力酸化を防ぎ、風味をしっかりビン内に閉じ込めます。その後、ビン中でワインの風味を落ち着かせ、5月、ついにリリースの時がきました。

中伊豆のぶどうの特長や品質を認識できる商品です。是非一度、ご賞味ください。(数量限定ですのでお早めにお求め下さい)
2006年信濃リースリング収穫の様子(収穫は2006年9月15日です) 志太農場リースリング発売中です!!やや甘口で爽やかな酸味が特徴。
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